副作用について

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特に注意を要する副作用

下記の症状があらわれた場合は、速やかに主治医または医療スタッフに連絡してください。

サイトカイン放出症候群

アベクマ®の投与後に、サイトカイン放出症候群による症状がみられることがあります。サイトカイン放出症候群では、活性化したCAR T細胞や他の免疫細胞からサイトカインとよばれる炎症にかかわる物質が放出され、血中のサイトカイン濃度が上昇することにより、下記のようなさまざまな症状が引き起こされます。なかには重症化し、血圧低下、呼吸困難などが起こり、集中治療室での治療が必要な場合もあります。アベクマの臨床試験では、サイトカイン放出症候群はアベクマ投与当日から翌日にみられることが多く、ほとんどが2週間以内にみられました。

また、マクロファージという免疫細胞が活性化する血球貪食性リンパ組織球症(マクロファージ活性化症候群)が起こり、血球の減少や肝臓の障害がみられることがあります。

普段と異なる症状がみられた場合には、すぐに主治医または医療スタッフに連絡してください。

神経系事象

アベクマ®の投与後に、精神や神経に関連する症状がみられることがあります。症状はさまざまで、軽症で数日で回復するものから、重症化してしまうものまであります。アベクマ®の臨床試験では、神経系事象はアベクマ投与当日から4週間以内に多くみられました。

普段と異なる症状がみられた場合は、すぐに主治医または医療スタッフに連絡してください。また、神経系事象の症状は、患者さん本人よりもご家族など周囲の方が気づくことがあります。治療前と比べて変わった様子がないか、注意してみてもらうことも大切です。

感染症

アベクマ®の投与後に、重度の感染症が起こることがあります。発熱や体のだるさ(倦怠感)など感染症と思われる症状がみられる場合には、主治医または医療スタッフに連絡してください。

また、過去にB型肝炎やC型肝炎にかかったことのある方では、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化が起こる可能性があります。そのため、定期的に検査を行い、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの状態を確認することが大切です。

血球減少

アベクマ®の投与後に、血小板、好中球、赤血球などの血液中の細胞(血球)が減少し、その状態が1ヵ月以上続くことがあります。

血球の状態を確認するため、定期的に血液検査を行います。重度の血球減少がみられる場合には、輸血や好中球を増やす薬による治療を行うことがあります。

低ガンマグロブリン血症

アベクマ®の投与後に、ガンマグロブリンという免疫にかかわるタンパク質をつくる形質細胞が不足した状態になり、低ガンマグロブリン血症があらわれることがあります。低ガンマグロブリン血症になると感染症にかかりやすくなります。

そのため、アベクマ®の投与後は定期的に観察を行い、感染症を予防する目的で、ガンマグロブリンを補充する治療を行う場合があります。

インフュージョンリアクション

アベクマ®の投与中または投与後に、ショックやアナフィラキシーを含むインフュージョンリアクション(注入に伴う反応)という副作用があらわれることがあります。

発熱、嘔吐、頭痛、発疹、呼吸困難、血圧低下、意識障害、動悸などの症状があらわれたときは、すぐに主治医または医療スタッフに伝えてください。

腫瘍崩壊症候群

腫瘍崩壊症候群は、アベクマ®の投与後に、がん細胞が急速に破壊され、壊れたがん細胞内の物質が血液中に放出されることで起こります。体内の尿酸が増える、カリウム・カルシウム・リンなどの電解質のバランスが崩れる、血液が酸性になる、腎臓で尿の産生が減少する、不整脈などの異常が認められます。

その他の注意すべき事象

二次発がん

アベクマ®は遺伝子導入された細胞であり、理論上、遺伝子導入に用いた技術の影響で新たながんが発現する可能性があります。そのため、アベクマ®投与後は、長期間の観察が必要です。アベクマ®投与後は、二次発がんの早期発見のため、定期的に検査を受けるようにしてください。

2025年8月作成
2012-JP-250009118